『レミーのおいしいレストラン』

ピクサーの新作アニメ映画。監督は『アイアン・ジャイアント』『ミスター・インクレディブル』のブラッド・バードだ。先日、新宿のバルト9で観てきたんだけど、笑いあり、ハラハラドキドキあり、そして最後にちょっとホロっとさせる、良くできたファミリー娯楽映画だった。
はじまりはパリの郊外の田園地帯。ずば抜けた味覚・嗅覚を持ったネズミのレミーはいつか料理人になりたいという夢を持っている。彼のヒーローは今は亡き名シェフのグストー。しかし、ネズミの群のボスである父親はじめまわりのネズミたちはそんな彼の夢を理解してくれるはずもなく、レミーは嗅覚を活かして食料の毒見役をしながら日々を過ごしていた。しかし、ある日アクシデントで群れから離ればなれになり、パリの街に迷い込んだ彼は、彼自身の空想が生んだグストーの亡霊に導かれ、夢を実現するチャンスに出会う。
・・・と物語の発端は『スター・ウォーズ エピソード4』型の王道冒険映画そのもの。レミー=ルーク・スカイウォーカー、レミーの父親=ルークの養父、グストー=オビワン・ケノービだよね。ダース・ベイダーはいるの~?・・・もちろんいますとも。料理評論家のアントン・イーゴがダース・ベイダー!
ピクサーのCGアニメのテクノロジーはさらに進歩していて、特に実写と見紛うほどのパリの街を背景に繰り広げられる追跡シーンは素晴らしかった。
かつて築いた名声で客を集める今のレストラン・グストーをイーゴが「観光向け」と斬って捨てたり、現シェフがグストー・ブランドを冠した冷凍食品で金儲けを計画してたり、スパイスの効いたディティールも侮れない。特にこれがディズニーの映画であることを考えると思わずニヤリである。
途中展開のあっけなさ過ぎるところがあったりとか、無気力なリングイニとツンデレのコレットのロマンスがちょっと取ってつけた感じだったりとか、まあ難点もあるけど、全体的には佳作である。ただ大傑作の『ミスター・インクレディブル』と比べちゃうと作品の深度という点ではかなり落ちるかな。気軽に楽しみたい映画だ。